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《略歴》宮崎県出身。東京芸術大学卒業。同大学院修士課程、博士後期課程に学ぶ。ロータリー財団国際親善奨学生、イタリア政府給付奨学生としてイタリア・ミラノに留学。東京在住。
by tomokarco
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3/12 コンサート(東京)
6/12,13 『ラ・ボエーム』マルチェッロ役(東京)
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カテゴリ:声楽教育
  • かけがえのない時間
    [ 2010-03-08 18:26 ]
  • 手ごたえのない声は◎
    [ 2010-02-26 16:42 ]
  • 大きな声で!
    [ 2010-02-23 19:04 ]
  • ステップ
    [ 2010-02-15 20:31 ]
  • 日本語の「ん」
    [ 2010-02-10 23:44 ]
  • イタリア語の母音"E"と"O"
    [ 2010-02-08 19:45 ]
  • イタリア語の子音"R"
    [ 2010-02-05 00:10 ]
  • You Tubeより ジャコモ・ラウリ・ヴォルピ
    [ 2010-02-03 13:11 ]
  • コールユーブンゲン
    [ 2010-02-02 16:44 ]
  • 芸大入試
    [ 2010-01-28 20:29 ]
かけがえのない時間
Ciao tutti! みなさん、こんにちは!
 2月25日から3月8日まで芸大入試がありました。わたしの生徒たちもその渦中で奮闘していました。結果はどうあれ芸大で勉強できることの喜びが実感できる状態になってから入学してもらいたいというのが本音です。

 というのは、音楽の世界で生き残るのは本当に大変だからです。受験生レベルに限定すると、芸大声楽科は学部に合格するより大学院修士課程に合格する方がずっと難しいです。

 修士課程合格者20人のうち、学部からストレートで合格するのは10人弱、残りは“院浪”と呼ばれる大学院浪人生と、他大学出身者です。学部生はほとんど受験するので、修士課程入試のある4年生の秋までにしっかりと力をつけて、54名中10番以内にいなければならないわけです。

 また、芸大の場合は30歳くらいで脱サラして入学する人も珍しくはありません。やはり、そういった人たちの勉強したいという覚悟は相当なものです。肉体的・精神的に20歳前後の学生とくらべて安定しているというものあって、常に成績上位をキープしています。

 そういった環境で学ぶわけですから、少なくともわたしの生徒たちには、友でありライバルでもある同級生たちに埋もれることのないように、学習意欲をもって入学しその後も維持し続けてほしいです。

 そしてもう一つ…、芸大に再度挑戦する人は、この浪人生活を音楽人生のなかでかけがえのない時間にしてほしいです。わたしも芸大合格を果たすために2年間浪人しました。レッスン、練習、またアルバイトが生活パターンの中心になると思いますが、受験勉強だけして入学したのでは音楽的素養は高校生と変わりません。極端にいえば、高校に4年も5年も通ったようなもの、時間をムダにしています。ですから、受験勉強+アルファのことをやる(身につける)のをお勧めします。

 例えば、1週間に1演目はオペラのDVDを観賞するというのはどうでしょう?1か月で4演目、盆暮れを除いても来年の受験までに40演目以上のオペラを知ることができます。これは本当にすごいことです。指揮者、演出家、キャスト、どこの劇場でいつのライブ録画かをノートに記録しておきます。どんな演出だったとか簡単な感想も書いておくといいでしょう。間違いなく芸術的センスが磨かれます。

 東京・上野の東京文化会館の4階にある音楽資料室には、国内で市販されているほとんどの視聴覚資料(DVD・CD・LD・レコード)、楽譜、書籍が所蔵されていて、誰でも無料で利用できます。

(東京文化会館・音楽資料室 http://www.t-bunka.jp/library/index.html

 地方の方は、最近は地域の図書館や公共ホールの視聴覚ブースでもクラシック音楽のソフトが充実してきているので、覗いてみてください。

 また英語、声楽の学習過程で歌うイタリア語やドイツ語など、語学を学ぶのもいいです。1年間あれば多少の会話力は身につきます。芸大では外国人歌手や先生による公開レッスンがしばしば行われています。そういったときに通訳を介せず自分から先生に話しかけることによって、より深いものが吸収できるでしょう。留学だって、普通の人よりも3~4年は早く実現すると思います。

 高校生は、日中は学校の授業、夜はレッスンや練習でいっぱい一杯で、たとえオペラのアリアを勉強していたとしても、その観賞に充てる時間はとてもとれなかったと思います。大学生になってからも、最初のうちはそれなりに授業が詰まっているので、じっくりと腰を据えて外国語会話を学ぶことはできません。

 かくゆえに、比較的時間に融通の利く浪人生活は足踏みではなく、音楽人生のうえで飛躍できるチャンスなのです。苦手な数学、理科、社会から解放された高校卒業後、音楽の世界にどっぷりと浸って音楽家を目指してください。
Ciao! またね!
by tomokarco | 2010-03-08 18:26 | 声楽教育
手ごたえのない声は◎
Ciao tutti! みなさん、こんにちは!
 最近、生徒のレッスンをしていて気になることがあって、それは母音" i "になると声が前に出てこないことです。他の母音のときと比べて、極端に声が小さくなります。息の流れに反して“止まった音”になっています。母音" i "は、その人によって口から外に発されますが、裾元を引っ張られて、自由に空中を飛ぶことができないでいるように思えます。

 これは喉に必要以上の力が入っているからです。

 そこで生徒には、母音"a"で歌わせてから「その口の中の状態を保ったままで" i "を歌ってごらん」と助言します。そうするとうまくいきます。

 適時、指導したあとに生徒から共通して出てくる感想は「何もしなくても勝手にと声が出てきた」です。

 ちょうどいま、バンクーバーオリンピックが開催されています。スピードを求められるあらゆる競技のユニフォームや用具は、空気抵抗を少なくなくするための開発がなされています。肺から空気を送り出して作る声(歌)も同様で、スムーズな息の流れの保持はとても大切なことなのです。

 学生時代、先生からOKをもらうときは、なぜか自分では歌っていて手ごたえを感じないというのがしばしばでした。つまり、それは自分の声がすべて体の外に出ているから、自分にはよく聴こえないのです。

 歌っていてほんのちょっとでも声を無理やり出している感(頑張って歌っている感)があれば、すべての声を出し切っているとはいえません。外に出たがっている声を足かせのように体の内側へ引っ張る原因がどこかにあるのです。心地のいい声は誰だっていつまでも聴いていたいもの、すべてフォルティッシモで歌えというわけではなく…声はわざわざ出し惜しみするものではないのです。
Ciao! またね!
by tomokarco | 2010-02-26 16:42 | 声楽教育
大きな声で!
Ciao tutti! みなさん、こんにちは!
 過去にイタリア語を勉強していた頃のこと、問題集に"ad alta voce"という熟語があり、訳例には「大きな声で」とありました。例えば、電話で相手の声が周囲の雑音で聞き取れないとき、下記のように使います。

Parla ad alta voce, per favore! (ねぇ、大きな声でしゃべってよ!)

しかし、直訳すると「ねえ、高い声でしゃべってよ!」になります。 ※小さい声=bassa voce

 「大きい」といえば"grande(大きい)"、あるいは音楽用語にもある"forte(強い)"を連想しがちです。しかし、イタリア人は声の大小を高低で表現するんですね。ニュアンスの違いと言えばそれまでですが、そこにいわゆる“ベル・カント唱法”、舞台発声法を会得するためのヒントが、"ad alta voce"に隠されている気がします。

 生徒へのレッスンで、とくに音楽作りのためにとくに発声のことに言及するときには、「どのように言葉で説明すれば伝わるだろうか?」と思案します。なぜなら、わたしたちにとっての「大きな声」は、イタリア人にとっては「高い声」であるように、表現一つ間違うと生徒をあらぬ方向へ導きかねないからです。

 イタリア語辞典で"voce(声)"をひくと、熟語欄にvoce forte=太い声とありました。小学生のころから「楽譜にある強弱記号"F"はフォルテと読み、それが出てきたら強い音で演奏する」と認識してきたので、「強い」ではなく「太い」という訳に意外性を感じました。

 身に覚えのある方も多いかと思いますが、とくにPP(ピアニッシモ)の場合、強弱記号のまま弱い声で歌うと気の抜けたような声になるというのは昔からお決まりで注意されることです。そこで、生徒にはイタリア語辞典にのっとって「F(フォルテ)のときは太い響きで、P(ピアノ)のときは細い響きで…」と言ってみました。するとFで乱暴な声になることなく、Pでは支えのしっかりした弱音をつかんだようでした。

 しかし、個人的に「太い」というのはあまり品のいいイメージがしないので、スケールを大きくたっぷりと朗々と歌ってほしいときは「ふくよかな声で」と言うようにしています。

 最近は教える方の内容が多いですが、「イタリアオペラの伝統的な発声法(ベル・カント唱法)、つまり…(イタリア人的な見地によるものですが)人間のなかに潜在する美しい声を引き出す」というのが自分に果たせる使命な気がします。理屈っぽく言えばそんな感じですが、単に自分もきれいな声で歌い続けていたいですし、人の美しい声をずっと聴いていたいだけなんですけどね…。
Ciao! またね!
by tomokarco | 2010-02-23 19:04 | 声楽教育
ステップ
Ciao tutti! みなさん、こんにちは!
 昨年6月からわたしのところへ声楽を習いに来た生徒のレッスンが第2ステップへ突入しました。

 2年ほど合唱経験を積んだ後、「声楽の道をもっと追究したい」という希望で始めたレッスンでした。合唱の声の魅力は、一人ひとりが並はずれた歌唱力がなくても、ある団員の短所は他の団員の長所で補えることによって生まれる強固さ、そしてハーモニーにあると思います。しかし一方では、50年以上もアマチュア合唱経験を積んだ別の生徒の言葉を借りると「自分でちゃんと歌ってなくても、何でも歌えるという錯覚に陥ってしまう」ということで、この生徒の場合もそのとおりでした。

 実際にレッスンを始めた当初は、曲・フレーズのなかで歌える箇所とそうでない箇所の差が激しいという状況でした。とても一人で一曲を歌いとおすだけの能力はもっていませんでした。

 わたしは第1ステップとして、高音から低音まですべて“彼らしい素直な声と言葉”が前に出るように指導してきました。もちろん、ちょっとでも彼らしくない声を出すと止めて、何度もできるまで繰り返します。お互い本当に根気強い作業でした。

 そして、わたしの意図するところがだいぶ理解できるようになって、ムラなく歌えるようになってきたので、半月くらい前から“声に奥行きを出す”ための指導をしています(第2ステップ)。まだまだ未完成ですが、たまにイタリア人のような頭蓋骨がよく共鳴した声が出るようになりました。

 生徒が上達していくと、わたしも嬉しくなります。しかし、声楽レッスンは生徒との共同作業、結局は生徒自身のことなので本人が「上達したい」という気持ちが一番にあって成し得ることなのです。芸術的に目指すところは、プロを目指すものであっても、アマチュアであっても一緒です。根気よく、そして気持ちよく歌うことを楽しんでほしいと思います。
Ciao! またね!
by tomokarco | 2010-02-15 20:31 | 声楽教育
日本語の「ん」
Ciao tutti! みなさん、こんにちは!
 今日、生徒に日本歌曲のレッスンをしていると、「待つらんか」という歌詞を歌う生徒に違和感を覚えました。もう一度、歌ってもらうと「ん」の発音がおかしいことに気づきました。そして、以下のことを説明しました。みなさんも実践してみてください。
 
 「しんじゅく(新宿)」とゆっくり発音してみてください。今度の「ん」は、唇が開いていることに気づくと思います。次に、「しんばし(新橋)」とゆっくり発音してみてください。今度の「ん」は、唇と閉じていますね。

 これでお分かりかと思いますが、日本語には2種類の「ん」が存在します。アルファベットの表記で区別すると"N"と"M"の違いであり、ほとんどが"N"で発音しますが、いくつか"M"で発音するケースもあります。新橋をローマ字で書くと、"Shinbashi"でも間違いではないそうですが、発音上は"Shimbashi"です。電車・地下鉄の駅、交差点などの表示には、そう表記してあるものもあります。興味のある方は注意して見てみてください。

 ひととおり説明すると、生徒は「日本橋の『ん』も"M"ですね」と言いました。そのとおりです!

 では、どうして"M"になるのでしょうか?アルファベットで書いてみるとわかりますが、注意しなければならないのは「ん」のあとにくる子音です。

新橋 Shimbashi  日本橋 Nihombashi

両方とも"B"で、破裂音と言われる子音です。「新聞 shimbun」「今晩 komban」もそうですね。他にも、唇を破裂させて発音する子音があります。"P"と"M"です。「半端 hampa」「さんま samma」がそうです。

 これらに共通するのは、「ん」のときに唇を閉じて"M"の発音をしていることです。わたしたちは無意識のうちに2種類の「ん」を使い分けているのです。しかしながら、いざ歌をうたっていると、無意識にできているがゆえに曖昧になってくるようで、"M"と"N"を混同するケースが多いようです。舞台語として、歌唱においても正しい日本語の発音をしたいものです。

 この程度のことは、音声学・言語学・文学の知識が必要…といった大げさなものではなく、普通に朗読してみたら簡単にわかることです。日本語であってもアルファベットで分析したり、歌詞を朗読することはとても大切なことなのです。

 日本語の「ん」については、大学院での平野忠彦先生による『日本歌曲特殊研究』の授業で教わりました。わたしが大学院で初めて意識したことを、早期のうちに知ることができた生徒はラッキーだったと思います。

 数日前にメールで問い合わせがありました。「もう働いているので、音大に通うことはできないが、少しずつでも声楽を専門的に勉強したい」ということでした。わたしが大学、大学院、海外で学んだ声楽の知識や技術によって、生徒が楽しく歌うことができれば、こんなに幸せなことはありません。
Ciao! またね!
by tomokarco | 2010-02-10 23:44 | 声楽教育
イタリア語の母音"E"と"O"
Ciao tutti! みなさん、こんにちは!
 一般的にイタリア人歌手の歌唱を聴いて「アペルトだ!」という人が多いです。アペルト(aperto)とは、イタリア語で「開いた」という意味です。

 わたしも、生徒へのレッスンで“口蓋をあげて”とか“鼻腔を広げて”というニュアンスで「開けて!」と言うことがあります。しかし、その際に注意しなければならないが、“開ける”とは発声上のことであり、母音まで開けてしまう人が多いということです。

 イタリア語には7つの母音があります(a e` e´ i  o` o´ u)。日本語と大きく異なるのは、eとoが開口音と閉口音の2種類存在することです。開口音を「`」、閉口音を「´」のアクセント記号で表記します(このことは、実用的なイタリア語辞書にちゃんと載っています)。


e‘(開口音)   bene(よい)、e`(essereの3人称単数形、英語でいうbe動詞)
e’(閉口音)   perche’(なぜ)、e(そして)

o‘(開口音)   buono(おいしい、よい)
o’(閉口音)   giorno(日)   ※Buon giorno(こんにちは)


 2種類の母音"e"に関していえば、イタリア人のなかには「閉口音の母音"e’ "は、開口音"e`"よりもむしろ母音" i "に近い」とか、「ドイツ語の長母音"e"に類する」と言う人もいるくらいで、これができるか否かを発音能力の判断基準にする人もいます。

 先日、生徒からのメールでイタリア語の発音についての質問がありました。わたしは、"Cielo e mar"というポンキエッリ作曲の『ラ・ジョコンダ』のなかにもある一節を思い出しました。

Cielo e mar. (空と海)

この文章を"e"を開口音"e`"で発音し、marの子音"R"を十分に巻き舌で発音できなかったら…

Cielo e` mal. (空は悪い)

違う文章になってしまいます。強いて訳すと「天気が悪い」でしょうか…。

 極端な例ですが、こういうこともあり得るので、イタリア語の発音はローマ字読みの延長だと楽観視せずに、歌唱や舞台語においては注意したいものです。わたしの生徒たちも、気持ちよく声が出ると開放的な気分になるようで、閉口音の"e"や"o"が開いてしまいます。それで、いつもこういうことを注意しています。

 いささか面倒くさいと思われる方もいるかも知れませんが、日本語の歌唱においてもアルファベットで考えることは大切なことです。なぜなら、日本語のカナは、「か」「カ」といった具合に、表記上は子音と母音を一度に判別できないからです。強さ、長さ、明るさ、柔らかさなど、どのように子音・母音を発音するかで、日本語の言葉のニュアンスはずいぶん変わってきます。『荒城の月』や『浜辺の歌』など日本歌曲を歌う際にも、表現の幅がずいぶん広がってきますよ。
Ciao! またね!
by tomokarco | 2010-02-08 19:45 | 声楽教育
イタリア語の子音"R"
Ciao tutti! みなさん、こんにちは!
 イタリア語の子音に"R"というのがあります。単語でいえば、例えばRoma(ローマ)、caro(いとしい)があります。これは日本語の「らりるれろ」とは違い、巻き舌で発音します。

 男性のなかには、幼いころに「ドゥルルルル…」と機関銃のマネをやった思い出のある方もいるんじゃないでしょうか?あれがイタリア語の子音"R"に比較的近いです。

 先に紹介したcaroのように、母音と母音に挟まれた"R"は、はっきりと巻き舌で発音する必要はありません。

 一方で、必ず巻き舌で発音しなければならないものもあります。例えば…

・ Romaのように、語頭の"R"
・ strada(道)、moderno(モダンな)のように、母音と子音で挟まれた"R"
・ vorrei(私は…したい)のように、二重子音"R"
・ mare(海)を省略して表記したmarのように、語尾の"R"

 日本人のやる巻き舌とは似て異なるようで、イタリアでネイティブが発音しているのに耳を傾けていると、輝くような"R"に接することがあります。巻き舌の"R"こそが、イタリア語の醍醐味だと言えるでしょう。賛否両論あるかとは思いますが、声楽においては舞台語としての輝くような"R"を目指さなければなりません。

 生徒への声楽レッスンでも、この"R"ができるように指導します。しかし、いざやろうとすると、喉周辺の筋肉や、体の至るところに力が入ってしまいなかなかうまくできません。どうやったらできるようになるか、レッスン時間以外でもずっと考えていました。

 先日、ある方法がひらめき、さっそく生徒に試してみたところ、彼からイタリアでいつも聞いていた子音"R"を聞くことができました。「顔面が“ドゥルルルッ”と振動して、頭がクラクラした」と感想を言っていました。とてもいい傾向です。

 「生徒ができるように…」の一心で考えることによって、教えるための引き出しを増やすことができ、またわたし自身も技術的に成長させてもらっています。一人ひとりの生徒との出会いに、心から感謝しています。
Ciao! またね!
by tomokarco | 2010-02-05 00:10 | 声楽教育
You Tubeより ジャコモ・ラウリ・ヴォルピ
Ciao tutti! みなさん、こんにちは!
 声楽の勉強に役立つような輸入版の映像資料(ソフト)がなかなか手に入れることができないのが悩みの種でした。最近は、You Tubeのおかげで、名歌手の歌唱シーン、名教師の声楽レッスンの様子など、研究材料が溢れています。(しかし一方で、著作権問題があり、それに迷惑している関係者もいると思いますが、このブログはわたしの声楽概念を紹介する場なのであしからず…)

 わたしが、生徒たちに発声法を学ぶ上で見るように勧めている映像に、ジャコモ・ラウリ・ヴォルピ Giacomo Lauri Volpi(1892-1979)の『誰も寝てはならぬ』(トゥーランドットより)があります。

 この映像には、生徒たちにいつも教えている、いわゆる“ベル・カント唱法”と呼ばれるイタリアオペラの伝統的な発声法のキーポイントを少なくとも4つ確認することができます。





 バリトンやバスの方は「テノールを参考に…」と言われて、いささか抵抗を感じるかも知れません。しかし、人の体の構造は基本的には同じなので、声を出す方法において声種は関係ありません。それは男女の性別の違いにおいても同じことです。

 ヴォルピの映像は80歳の時のもので、その年齢でこれだけの歌唱ができるということは、確かな歌唱テクニックをもっているという証拠なのです。そこには発声法の奥義が隠されています。
Ciao! またね!
by tomokarco | 2010-02-03 13:11 | 声楽教育
コールユーブンゲン
Ciao tutti! みなさん、こんにちは!
 声楽を学ぶ人が避けて通れない教材に『コールユーブンゲン』があります。音大入試では、声楽科に限らず、ほとんどの音大で課題として出題されるもので、最もポピュラーなソルフェージュ教材のひとつです。

 『コールユーブンゲン』は、ドイツ人のフランツ・ヴュルナーによって1875年に出版されました。ミュンヘン音楽学校の合唱指導教員だったヴュルナーが、同校の合唱団養成のために作った教材(全3巻)です。一般に日本では扱われるのは第1巻のみで、それは音程、リズムの基礎的な訓練に始まり、しだいに高度の課題へと発展していきます。すべて「ドレミ」で歌います。

 わたしは芸大合格を目指していたころ、『コールユーブンゲン』が本当がイヤで仕方ありませんでした。中学時代から合唱をやっていたので、歌詞を読むことには慣れていましたが、幼いころからピアノなど楽器によって楽譜に触れていない者にとって、「ドレミ」で歌い続けることは至難の業だったのです。

 人気作曲家で、芸大ソルフェージュ科で教鞭をとっていらっしゃる青島広志先生にソルフェージュを師事していました。よく「ドレミ」を読み間違えて呆れられていたものです。しかし『コールユーブンゲン』に関しては、それぞれの課題を習得するためのポイントや、「これは当時人気のあった作品の抜粋で…」などたくさんの知識を叩き込んでいただいて、他では教わることのできない質の高いレッスンでした。

 四苦八苦しながらの『コールユーブンゲン』も中盤に差しかかったとき、テレビのCMで流れてきた音楽が「ドレミ」で聞こえてくることに気づきました。不器用に勉強し続けたながらにも、自然と“音感”が身に着いていたんですね。だてに100年以上も使われている教材ではないことを実感しました。

 そして昨年から、数人の音大受験生に『コールユーブンゲン』も教えています。基本的には青島先生から教わったとおりに進めて、それぞれの生徒の習熟度にあわせて加減しています。

 ある生徒は、わたしのところに声楽レッスンを受けに来た当初は、リズムをうまく区別して歌えなかったのですが、やはり中盤に差しかかった辺りから、楽譜どおりの正確なリズムで歌をうたえるようになってきています。『コールユーブンゲン』のチカラ、またもや恐るべし…。

 生徒が一人でできなかったことをできるようにすること、これもわたしの仕事のひとつです。指導中は「どうしたらできるようになるか」と頭をフル回転させています。生徒と一緒にいる時間が真剣勝負なのです。とても幸せな瞬間です。
Ciao! またね!
by tomokarco | 2010-02-02 16:44 | 声楽教育
芸大入試
Ciao tutti! みなさん、こんにちは!
 2月25日から3月9日にかけて、芸大の実技試験(2次試験)が行われます。今月、大学入試センター試験を受けた受験生が、専門である音楽の試験に臨むわけです。

 声楽科に関していえば、第1回(課題曲)・第2回(自由曲)・第3回(ソルフェージュ、楽典、副科ピアノ)と3回に分けて試験があります。その都度、合格発表があり、少しずつしぼられていくわけですが、約2週間も集中力と体調を維持し続けることは大変なことです。まして地方からの受験生は、慣れないホテル暮らしと外食を余儀なくされ、もっと大変です。

 しかし、将来、芸術家として茨の道を進んでいくことを考えると、これくらいのことは耐え抜く精神力がなくてはなりません。

 ちょうどいま出願期間で、受験生は自分が歌う曲の楽譜のコピーを製本して、願書と一緒に郵送します。課題曲(日本歌曲と外国歌曲)と自由曲、合わせて9曲です。試験内容、またどういう曲を歌うのか、興味のある方は下記をご覧ください。

(東京芸術大学サイトより http://www.geidai.ac.jp/enter/pdf/2009seigakukadaikyoku.pdf

 わたしの生徒のなかにも音大受験する高校生がいますが、彼らには「提出楽譜は真心をこめて丁寧に製本するように!」と指導しています。実際の実技試験でピアノ伴奏を弾かれる先生は、きれいな楽譜の方が気持ちよく弾けるのはもちろんのこと、そういった心遣いができる受験生にはきっといろいろな形でのフォローとして返ってくるはずだからです。

 そして何より、ピアノ伴奏者へ楽譜をわたすことは、声楽を続けていくかぎりずっとやり続けることです。芸術を志す生徒たちには、単に歌が上手になるだけでなく、音楽家としてのあらゆるマナーを身につけていってほしいと思います。
Ciao! またね!
by tomokarco | 2010-01-28 20:29 | 声楽教育